【教育費】奨学金の利用者は約5割!子育て世代が備えておきたいこと

教育資金
教育費に悩む夫婦
教育費に悩む夫婦

・子どもの大学費用はいくらかかるの?

・奨学金を利用しても恥ずかしくない?

・奨学金の平均利用金額はいくら?

こんなお悩みありませんか?

  • FP2級・AFPの資格保有者
  • 子持ち会社員世帯への専門アドバイザー

である筆者、FP(ファイナンシャルプランナー)キタムラが日本学生支援機構の調査結果より「奨学金の利用状況」について解説します。

本記事を読んで分かること
  • 奨学金の利用状況
  • 大学費用の備え方

ぜひ最後まで読んでいってください。

FPキタムラ
FPキタムラ

子どもの教育費と家計負担のバランスをとれるようになります!

大学費用はいくら必要?

最初に大学の入学~卒業までに必要な費用を確認してみましょう。

学校区分入学料授業料施設設備費合計在籍期間
国立28万円54万円0万円244万円4年
公立37万円54万円0万円253万円4年
私立(文系)22万円83万円14万円410万円4年
私立(理系)24万円116万円13万円540万円4年
私立(医歯系)108万円286万円88万円2,352万円6年
私立(その他)25万円98万円23万円509万円4年
出典:「文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より筆者作成

合計で見ると最も安い国立で244万円、最も高い私立(医歯系)で2,352万円とかなり幅が大きいことが分かります。

私立(医歯系)を除けば、最大で540万円程度の費用がかかると見ておけばよいでしょう。

私立(医歯系)以外なら240~540万円程度の大学費用がかかる

奨学金の利用状況

約2人に1人が奨学金を利用

日本学生支援機構(JASSO)の調べによると、何らかの奨学金を受給している者の割合は以下の通り。

出典:「日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査」を基に筆者作成

約2人に1人が奨学金を利用していることがわかります。

また、ここ数年は奨学金利用者が増加傾向です。

もはや奨学金利用者は少数派ではないと言えるでしょう。

奨学金は2人に1人が利用している

収入別では?

次に収入別に奨学金の利用状況を見ていきましょう。

出典:「日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査」を基に筆者作成

概ね、家庭の年間収入が600万円未満の世帯で約半数を占める状況です。

一方で、1,000万円以上の世帯であっても一定の利用者がいるようです。

これは収入だけでなく子供の人数などの家族構成や家計、将来の見通しによっても奨学金の利用判断が変わってくるためと考えられます。

各家庭の状況に応じて利用判断や借入金額を検討するとよいでしょう。

ご自身の家庭に合った奨学金の利用判断が重要

奨学金の利用金額は?

労働者福祉中央協議会の奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によると、2022年度の日本学生支援機構における奨学金の借入総額は平均で310万円とのこと。

国公立と私立、文系と理系などで数十万円単位の違いは見られるものの概ね300万円前半だと見てよさそうだ。

「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」の結果 | 労働者福祉中央協議会(中央労福協)
労働者福祉中央協議会(中央労福協)は、労働団体、労働者福祉に関わる事業団体、生活協同組合の全国団体、全国に組織されている地方労福協(都道府県ごとの労働者福祉協議会)で構成する勤労者福祉活動のための中央組織です。
FPキタムラ
FPキタムラ

多く借りると返す金額も多くなることを忘れずに!

奨学金の種類

奨学金には公的機関と民間団体が運営する2つの種類がありますが、本ブログでは公的機関の「日本学生支援機構」を取り上げます。

奨学金は返済不要の給付型、返済が必要な貸与型があります。

さらに貸与型には無利子と有利子の2種類があります。

出典:独立行政法人「日本学生支援機構(JASSO)」ホームページを基に筆者が作成

奨学金の利用には必要な成績など、一定の採用基準が設けられています。

給付型や貸与型第一種といった良い条件のものは、その基準が厳しいことには注意しましょう。

また給付、貸与される金額は下記の条件によって決まります。

給付、貸与される金額の条件
  • 家計状況(親の収入や家族構成など)
  • 国公立か私立か
  • 自宅通学か自宅外通学か

金額は下記表の通りですが、条件によって利用額に幅があります。

詳細は「日本学生支援機構(JASSO)」ホームページで確認するようにしてください。

奨学金の種別金額(月額)
給付型7,800円~75,800円
貸与型第一種20,000円~64,000円
貸与型第二種20,000円~120,000円
FPキタムラ
FPキタムラ

利用できる奨学金や金額は事前に確認しておきましょう!

教育費の備え方

奨学金以外の教育費の備え方にはどんなものがあるでしょうか。

ここでは下記3つの方法を紹介します。

教育費の備え方(奨学金以外)
  • 預貯金
  • 貯蓄型保険
  • 投資

それぞれメリット、デメリットをまとめてみました。

預貯金

最も一般的な方法は預貯金です。

子どもの将来のためにコツコツ積み立てている方、多いのではないでしょうか。

預貯金のメリット
  • 取り組みやすい
  • 金額の変動が小さい
  • 引き出しが容易
預貯金のデメリット
  • インフレにより価値が下がる
  • (利息で)ほぼ増えることはない
  • 万が一の保障は無い
FPキタムラ
FPキタムラ

預貯金にもデメリットがあることは知っておきましょう!

貯蓄型保険

学資保険終身保険などの貯蓄型保険備える方法もあります。

保険のメリット
  • 受け取り金額が決まっている
  • 強制貯蓄効果がある(貯蓄が苦手な人向け)
  • 万が一の保障がある
保険のデメリット
  • 元本割れの可能性
  • 資金が拘束される
  • 保障が手厚いとは言えない

教育費を貯める方法として一般的ではありますが、資金が拘束される割には利回りが低い商品が多いです。

さらにトラブルも多い変額保険については受け取り金額も把握しづらく、教育費の備えとしては適しているとは言い難いのが現状です。

FPキタムラ
FPキタムラ

保険に入っておけば安心、というわけではなさそうです。

投資

今年から始まった新NISAなど、お得な制度を利用した投資も選択肢の一つです。

ここでは新NISAで株式投資信託に投資した想定で特徴を紹介します。

投資のメリット
  • 資産が増加する可能性
  • 積立機能により強制貯蓄効果がある
  • 引き出しが容易
投資のデメリット
  • 元本割れの可能性
  • 万が一の保障は無い
FPキタムラ
FPキタムラ

選択肢の一つとして把握しておきたいですね!

結局どれがよい?

備え方の特徴を紹介しましたが結局どの方法がよいのでしょうか?

個人の考え方や相場環境にもよりますので一概にどれが正解、ということはありません。

もちろん1つの方法で備えるのもよいですし、下記例のように複数方法の組み合わせもアリだと思います。

  • 預貯金:毎月1万円(毎月の収入から捻出)
  • 投資:毎月1万円(子ども手当を流用)
  • 保険:毎月0.2万円(掛け捨て。万が一の保障のみ)

自分や家族に合った備え方を考えよう

備えで足らない場合は?

教育費の備え方が分かったとしても、予定通りの金額に到達しない場合もあります。

また、そもそも備えが出来ない場合もあります。

そんな時は奨学金の他、次に紹介する教育ローン修学支援制度の活用を視野に入れましょう。

FPキタムラ
FPキタムラ

事前に備える金額、奨学金等で賄う金額を予め見積もっておくとよいです!

教育ローン

教育ローンには「国の教育ローン」と「民間の教育ローン」があります。

本ブログでは「国の教育ローン」を取り上げます。

まず教育ローンの特徴は下記の通りです。

教育ローンの特徴
  • 奨学金のような採用基準が無い
  • 奨学金(貸与型第二種)より金利が高い
  • 入学金に充てられる

子供1人につき350万円まで借入が可能です。

利子については、固定金利で2.40%(2024年5月1日時点)に設定されています。

詳しくは「日本政策金融公庫(JFC)」ホームページを確認してください。

FPキタムラ
FPキタムラ

教育ローンは親の名義で借りられます。奨学金は学生本人の名義です。

修学支援制度の利用

修学支援制度とは、所得や家族構成(子どもの人数)によって費用の減免や給付が受けられる制度です。

制度の概要は下記の通りです。

出典:「文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」より引用

詳細は文部科学省のホームページをご参照ください。

高等教育の修学支援新制度 学びたい気持ちを応援します:文部科学省
高校等の生徒のみなさん。大学等に進学して勉強したいのに授業料や生活費など、お金が心配で進学しようかどうか迷っていませんか。学びたい気持ちを経済的にしっかりと支える法律が成立しました。
FPキタムラ
FPキタムラ

2020年度開始の制度です。利用できる方は内容を把握しておきましょう!

まとめ

今回は奨学金の利用状況や大学費用の備え方について解説しました。

まとめ
  • 奨学金は2人に1人が活用
  • 奨学金には種類があり利用条件や金額が異なる
  • 教育費の備え方は1つではない
  • 修学支援制度など国の制度は把握すべし

大学入学者の割合は年々増加しており、また大学費用も増加の傾向が見られます。

こういった状況からすると、奨学金の利用者が増えることは自然だと思います。

ただし、(貸与型の)奨学金はあくまで借金です。

返済のことまで考えて活用することが重要です。

子どもが本気で学びたい、大学に通いたいと考えているなら、その願いを叶えてあげたいのが親心というもの。

子どもの背中を後押ししてあげたいですよね。

FPキタムラ
FPキタムラ

情報を知らないことで夢をあきらめることがないようにしたいですね!

事前の備え、制度の活用など、家庭にあった選択ができるよう知識のアップデートをしていきましょう。

そして、お金の悩みの少ない幸せな人生を過ごしましょう!

それでは!

コメント